
海外留学を経験した方や、これから留学を控えている皆さんは、将来の就職のことについて考えていますか?
海外留学を経験すれば、就職活動で強みとなりアピールポイントになるし、他の就活生より私の方が有利だな・・と安易に考えてしまっている方もいるのではないでしょうか。
そのように考えている留学経験者は今の時代、星の数ほどいます。
近年は海外留学と一言で言っても多種多様な留学があるため、個人によって経験したことや学んだこと、得た事も、留学期間も人によって全く異なってきています。
自分より多く学んだり、たくさん経験している人もいるのです。
そんな就活生の中で他の人よりも留学経験を強みにできるのか、有利にできるのかは、全て自分次第なのです。
こちらでは就活を有利にするために留学経験者がどうすれば良いのか、どのように留学経験を就活に活かせば良いのかを解説したいと思います。
目次
企業は留学経験者をどう見ているのか

費用も時間も使って留学したからには、将来の就職にも留学経験を生かしたいと思いますよね。
日本学生支援機構の調査によると、日本人学生の海外留学状況は年々増加しており、約10万人の方が留学しているそうです。
短期の留学や長期の留学などさまざまな留学を全て含めると、自分の周りでも海外留学経験者の存在が珍しいことでは無くなってきているのです。
そんな中、企業は留学経験者をどのように見ているのでしょうか。
そもそも留学経験者は企業にとってほしい人材なのか?

近年は日本の企業でもグローバル化が進み、海外進出などもどんどん広まってきています。
留学経験者は企業にとってほしい人材だと我々は思いがちですが、実際はどうなのでしょうか。
2019年度の文部科学省の調査によると、留学経験者の採用について企業にたずねたところ、
◆「留学経験者を積極的に採用したい」 11.2%(前年度比▲3.7ポイント)
◆一方、「採用に当たっては、留学経験の有無は考慮しない」 75.3%(前年度比+3.1ポイント)
という結果になっています。

(引用:文部科学省 2019年度 就職・採用活動に関する調査(企業)調査結果報告)
この調査からも分かるように、実際には留学経験の有無だけでは有利と言えないようです。
留学経験が有っても「ただ留学した」という事実だけではなく、それ以上に企業が重視したいポイントがあるようですね。
企業が求める留学経験者の人物像とは

一般社団法人海外留学協議会JAOSが調査したデータによると、企業が留学経験者に求めるのは、以下のような能力がある人物です。
①主体性・積極性
②コミュニケーション能力
③語学力
④チャレンジ精神
⑤ストレス対応力
⑥情報収集能力
⑦提案力
⑧異文化適応力
⑨論理的思考力
(引用:「海外体験を有する若者の採用・活用に関する調査報告書」一般社団法人海外留学協議会JAOS)
意外なことに留学する人のほとんどが目標にする「語学力」については、企業が一番に求めている能力ではないのです。
それよりも、企業は主体性や積極性、コミュニケーション能力を重視しています。
つまり、語学力はもちろんのこと、留学によって身に着けたコミュニケーション能力や主体性・積極性を就活で自分なりにアピールできれば就活は有利に働くと言えるのではないのでしょうか。
留学経験を重視してくれる職種や業界は?

海外留学を経験した方はまず語学力を生かして働くことのできる外資系の職種や業界を目指すのではないのでしょうか。
「一般企業(外資系企業)」
・秘書・人事・英文事務・海外営業・貿易事務・外資金融など
「航空・空港関連」
・CA・パイロット・グランドスタッフ・航空管制官・通関士・入国審査官など
「旅行・観光関連」
・ツアープランナー・外資系ホテルスタッフ・添乗員・通訳ガイドなど
「教育関連」
・英会話講師・大学教師・塾講師・日本語学校講師・留学コーディネーターなど
「その他」
・翻訳・通訳・大使館職員・特許事務員など
上記の職種は語学力が必須となるため、海外留学経験者は語学力があれば就職にかなり有利となります。
また留学経験者は一般企業においても、
✅新商品の開発や新サービス企画などの分野
✅営業・販売の分野
でも活躍が期待できるでしょう。
海外留学者は、多国籍の人々と異文化交流の生活を経験することによって海外ならではのサービスや文化などを体験したり、色々な人物の考え方や環境・価値観に触れています。
そういった経験は商品開発や企画には必要な能力なのです。
また、留学先では多種多様な人種と交流して言葉も違う人達と人間関係を築くことになります。
そういった経験は営業・販売の分野で人を相手にする上で能力を発揮してくれるでしょう。
海外就職は留学経験者であってもハードルが高い

特に長期留学をした方は「このままずっと海外で滞在したい!」と感じ、海外での就職を視野に入れる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、海外での就職は単なる留学だけでは非常に難しいのが現状です。
まず、留学の学生ビザでは就職活動はできません。
海外での実績(どこの学校を卒業して何を学んでどのような学位を取得したか)がないとまず海外就職は無理です。
独立行政法人 日本学生支援機構の調査報告書によると、留学経験者に聞いた「留学後の進路はどうしましたか?」のアンケートでは、以下のような結果になっています。

独立行政法人 日本学生支援機構留 学生事業部 留学情報課)
このように、帰国して就職or復学する方が大半であり、現地で就職する方は全体の2.8%とかなり少ないことが分かります。
これは、留学経験だけでは海外で就職するのは難しい事を表していると言えるでしょう。
しかし、どうしても海外での就職を希望する場合は、海外の大学で学び、その大学を卒業することをオススメします。
そうすることによって海外での実績は評価されますので、海外での就職は現実的なものになってくるでしょう。
海外の大学ではインターンシップ制度や就職に関するカウンセリングなどもありますので、フルに活用するようにしましょう。
”卒業すれば3か国の学位が取れる!【タイにあるアメリカの大学】” タイにあるアメリカの大学(トリコンチネントディグリープログラム)は、ラマー大学(米国・テキサス州)、サイアムテクノロジー大学(タイ・バンコク)、英国のNVQ国家認定資格レベル5の三か国の学位および資格のすべてが一回の留学で取得できる画期的なプログラムです。 この「タイにあるアメリカの大学」の費用は滞在費も含めて年間で約150万円程度。アメリカ留学にかかる費用から見ても約3分の1程度で済みます。 「タイにあるアメリカの大学」は、高校生・留年生向けに費用も安く、英語力のスコア提出が不要など、日本の大学に進学するのと同等の条件で進学することが可能です。 授業は完全に英語のみで行われ、アメリカ・中国・ASEAN各国など世界各国から集まる学生とともに学習します。タイ・バンコクで日常生活を送ることになりますが、成長著しいASEANの中心地であり、本物のグローバルを経験することができます。 |
留学経験者が就活に勝つためには

留学経験者が就活で留学を有利にもってくるには、留学経験で得たもの+(プラス)将来の自分のキャリア像=(イコール)就職先企業への繋がりの方程式を自分の言葉ではっきりプレゼンできる事が重要です。
留学で何を学んで、何を経験したという自分のスキル、自分の経験のみを自分感覚で作文のように説明だけするようでは、企業側も「あーそうですか」という回答になってしまいます。
留学したという事実だけを履歴書に書いていても、何も突っ込まれないし、何も聞かれません。
語学力だけじゃなく+αの経験とプレゼン力が必要

留学経験者は、留学によって語学力が向上したという事実はもちろん大切ですが、それ以外にも留学を通じて
✅どのような困難に直面したか
✅それをどのように乗り越えたか
✅どんな努力をしたか
✅自分が何を感じてどのように行動したか
が重要です。
ただ単に「英語力が伸びました」というアピールだけではなく、留学経験をしたことによって得た知識や失敗したこと、問題を対処して感じたことを伝える必要があります。
それは、勉学だけに限った事ではありません。
たとえ留学中の日常生活のことでも、外国での異文化をどう受け入れ、問題にどう対処してきたのかをプレゼンできれば良いのです。
まとめ

就活をしていると留学経験者は周りにたくさん存在し、特別なアピールポイントにはなりません。
留学経験者という自己満足だけで終わっていては就活には有利には向いてくれません。
企業側が留学経験者に求めているものは、留学で学んだという事実だけではなく、その学んだことを仕事で将来的にどのように繋げていくかということなのです。
留学経験者は見知らぬ海外で過ごしていてきた訳ですから、他の人よりも精神面やメンタルは強くなっているでしょうし、日本人にはなかなか無い、自分から発信する力が鍛えられているはずです。
そこを強みに変えれば、留学経験は就活に有利に向いてくれると言えます。
留学経験は自分次第で就活において有利な武器に変えられるのです。