日系と外資系航空会社といっても、その国の文化や、宗教的違いが影響されているため主に、以下の4つに区別されることが多いです。
- 日系航空会社
- アジア系航空会社
- 中東系航空会社
- 欧米系航空会社
また、日系<アジア系<中東系<欧米系のような順番で、違いが見えてきます。
ではどんな違いがあるのが、4つの内容に絞ってお話していきます。
目次
採用方法と訓練
応募書類と面接時における英語の頻度が大きく違います。
日系は基本的に日本語、外資系は英語で採用と訓練が進んでいきます。
応募書類は
日系:和文履歴書と作文(題材は会社による)
アジア・中東系:和文履歴書、英語カバーレター、英文履歴書
欧米系:英語カバーレター、英文履歴書
面接回数は大体3回〜5回行われ
日系:ほぼ日本語
アジア系:日本語、英語
中東系・欧米系:英語
訓練は
日系:日本語のマニュアル本、主に日本語授業
外資系:英語のマニュアル本、英語授業
採用や訓練を通して、各航空会社のキャビンアテンダントが求められる英語力を想像することができますね。
特にアジア系航空会社で行われる容姿を基準にした採用は有名です。
例えば、
- O脚
- 体重オーバー
- 歯並び
- しみ、ほくろ、肌荒れ
といったことが理由で、不採用になる会社があるほどです。
そのために、お金をかけてレーザーでシミやホクロをとったり、減量をしたり、歯並びを矯正したりと、面接や英語以外の努力が必要になることがあります。
また欧米系航空会社では、最終面接を目前に、水泳試験を行う会社もあります。
緊急時に海や川に不時着した場合、キャビンアテンダントたちは、乗客を守らなければなりません。
そのために、実際に一定距離を泳ぐことができるのかが、採用基準とされるのです。
まずは25M泳げるように、練習しましょう。
採用や訓練で使用される言語は違えど、文章や言葉で、自分自身を相手にわかりやすく説明し、紹介するという点では、日系も外資系もどちらも同じく求められています。
雇用形態
入社後の「安定さ」で言えば日系と外資系では大きな違いがあると言えます。
給料と福利厚生面では日系航空会社は充実したところが多い傾向です。
日系:一定期間を超えると正社員採用になりその後安定。外資系と比べると待遇が手厚いです。
外資系:多くの外資系航空外社が契約社員です。
ボーナスなし、昇給なしといった会社から、住宅提供や家賃補償、日本よりも物価の高い国ではかなりの金額を稼げる、など様ざまです。
- 3年間などの特定期間のみ働くことのできる場合
- 1年づつなど、契約更新制をとる場合
- 派遣制度
自分がその国では、「外国人」という立場になるため、雇用は不安定です。
会社の経営が悪化し、路線縮小に伴っていきなり「解雇」、という状況が起こる可能性が高いです。
コロナの影響で、自宅待機の要請や、早期退職を募る航空会社がありましたが、ある程度雇用が守られているのが日系の航空会社です。
外資系航空会社では残念なことに、多くの日本人キャビンアテンダントが解雇されてしまいました。
日本の空も、世界の空も、以前のようにまた気軽に行き来できる日が来ますように!!
教育体制
日系:ゼロ経験でもOK
一般常識、英語、航空専門的知識までの幅広い教育が行われるため、新卒や異業種の転職者向きです。
多くの先輩たちが所属しているため、きちんとしたフォローアップがあります。
マナーや接遇スキルは、社会人になると時間をとって学ぶ機会があまりありませんが改めて、仕事以外の内容を学ぶことのできる環境があるのは、とても良いことだと思います。
そのため、会社の雰囲気に染まることのできる人、報告や相談をきちんとできる人が求められるそうです。
外資系:即戦力、経験者は有利な傾向
基本的に訓練とは、業務に関わる専門知識を習得するための時間です。
なので、日系と違い一般常識を問うような訓練はほぼなく、詰め込み訓練になりがちです。
フォローアップはないと言えます。
ついて来られなければ、「さようなら」というような厳しい環境でもあります。
今までの自分の経験(学生時代の体験、社会人の経験)を元に、大変な状況下でも、どう訓練を乗り越えていくか、ついて行くのかを、自分で調整し、解決していけるような「自立した考え」をもつことが必要であると感じます。
いずれにせよ、独り立ちするまでの日々の勉強は欠かせませんね!!
雰囲気、社風
日系:統一美を大切にする調和とグループ力
基本的に上下関係のある縦社会です。
そのような環境の中では規則を守ってきちんとした集団行動ができるようにならなければなりません。
飛行機を運行するのはチームなので、もちろんチームワークが大切になります。
また日本人の乗客を対応することが多いので、日本人が好む「統一されたサービス」を提供できるように仕事をしていきます。
チームの中の一人という意識を忘れないことと、時には乗客や先輩の意見に同調し、共感するなど、調和していく姿勢が大切になってきます。
外資系:自分らしさを大切にする個人力
業務をきちんとこなすことができれば、どのような働き方であれ、自分らしく仕事を進めることができます。
基本的に「自由さ」があり、自立した個人行動が求められるので、自分に責任があります。
お客様への対応や接し方も、人種や国籍が違うように様々、千差万別です。
チームの中の一人ではなく、個性ある一人一人がチームを作り運行するというようなイメージです。
特別な個性がなく不安を感じている人がいるかもしれませんが、大丈夫ですよ。
外国航空会社では、日本人であること自体が「個性」になります。
日本人らしさや、日本の文化を一つでも多く紹介できるような人になりましょう。
国によって求められる度合いは違いますが、乗客や先輩に意見を求められた時に、きちんと自己主張ができる人になりたいですね。
SAYORIさんより
可愛らしいキャビンアテンダントユーチューバーのSAYORIさんが、外資と日系の違いを話してくれています。
ぜひ参考にして見てください。
私の体験
私の入社した会社では、忘れもしない、身体検査と制服着用試験がわりとが厳しく行われました。入社までに
- 7キロ減量すること
- 足にある大きなホクロとること
を指示されていた当時の私は、それで受かるのなら、、、と必死だったこともあり、3ヶ月間の採用試験中にダイエットに挑戦。
美容整形に通い、ホクロを取りました。(3ヶ月で完全に取ることはできず、目立たなくなるようなレーザー処置)
病院費用は安くなかったので、貧乏学生の私にとってはかなり痛い出費でしたが、バイト代をやりくりし、よくやったなーと今では良い思い出です。他にも
- 歯並びを矯正すること
- シミをとること
などを指示された受験生がおり、費用の面で難しくて取りきれない人、体重が減量がしきれなかった人などについては、後日それが理由で実際に不採用になったことを聞きました。
そのことを考えると、頑張って良かったなーと改めて感じました。
また、実際に制服を着用し、面接官に見せて歩き、写真を撮影されるという内容の審査も行われました。
気恥ずかしさと、抵抗感と、複雑な思いにかられていたことを覚えています。
もともと私は前に出るタイプの人間ではないので、訳もわからず、ぎこちないポーズなどをとってみせましたが、恥ずかしいけれど、凛とした姿勢だけは崩さないように、葛藤した採用試験でした。
雇用形態は契約更新制をとっており、希望であれば更新と退職を選択できる会社で、昇進や昇格はありません。
外資系の雇用形態はあまり安定していないのは事実ですが、日系航空会社に比べて、よりのびのびとした環境の中で、「自分らしく」働くことのできる環境は、外資系の大きな魅力だと思います。
最後に、
どんな航空会社に入社しても、キャビンアテンダントの仕事はいつも体力勝負です。
今から体力をつけることにも取り組んでいけたら良いですね。
日系、外資系含めて世界にはたくさんの航空会社が存在しています。
必ず自分にあった会社があるので、挑戦を続けていきましょう!